俗に言う失業保険ですが、もらえるのは何も正社員だけではありません。
条件を満たせばフリーターだって失業給付を受け取ることができます。
条件を満たす人は是非ハローワークに向かいましょう。
雇用保険と失業保険の違い
まず整理しておきましょう。
失業保険の本来の名は「雇用保険」です。
ですから雇用保険に加入していた人のみが失業の際、求職者給付を受け取ることができます。
また求職者給付のことを失業給付と言い、このことから雇用保険を失業保険というようになったと考えられるでしょう。
いずれにせよ「雇用保険」も「失業保険」も「求職者給付」も「失業給付」も中身は一緒で、名前の違いを気にかける必要はありません。
重要なのは「雇用保険」に加入していたかどうかです。
失業保険を受ける条件
「基本手当」をもらうための条件は次の通りです。
離職し、「就職したいという積極的な意思といつでも就職できる能力(健康状態・家庭環境など)」があり、積極的に求職活動を行っているにも関わらず、就職できない状態にある方
ポイントは、就職したいという積極的な意思があるということです。
ですから基本的には就職活動を行っていないと失業手当はもらうことができません。
求職者給付は、再就職を目指す方を支援する制度ですから。
そんなわけで、失業保険を受けようと考えている方は、就職の意思を見せつけるためにもフリーター就職サイトに登録しておきましょう。
失業保険を受けられない人
また次のような方は失業保険を受け取れません。
手元の資料によると以下の通りです。
- 家事に専念する方
- 昼間学生、または昼間学生と同様の状態と認められる等、学業に専念する方
- 家業に従事し、職業に就くことができない方
- 自営を開始、または自営準備に専念する方(求職活動中に創業の準備・検討を行う方は支給可能な場合があります)
- 次の就職が決まっている方
- 雇用保険の被保険者とならないような短時間就労のみを希望する方
- 自分の名義で事業を営んでいる方
- 会社の役員等に就任している方(事業活動及び収入がない場合は窓口でご相談ください)
- 就職・就労中の方(試用期間を含む)
- パート・アルバイト中の方(週あたりの労働時間が20時間未満の場合、就労した日、収入額の申告が必要となりますが、その他失業している日については基本手当の支給を受けることが可能な場合があります)
- 同一事業所で就職、離職を繰り返しており、再び同一事務所に就職の予定がある方
中でも要注目が10です。
手元の資料をそのまま写したので若干、わかりづらいかもしれません。
解説すると、パート・アルバイトを始めてしまった方は基本的にもらえないということ。
ただし、週20時間未満の労働なら受給できる可能性があります。
その際には就労した日、収入額を申告の上、その差額を検討するということです。
ということで、失業してすぐにアルバイトするのはやめましょう。
仮に失業保険をもらえたとしても、もらえる額が減ってしまいます。
もちろん就業先としてそこのアルバイト先を選んだのなら問題ありませんが。
失業手当の受給資格
条件を満たしただけでは失業手当はもらえません。
失業手当には受給資格があり、原則として被保険者期間が離職日以前2年間のなかで12か月以上必要です。
これを確認するには、ハローワークに行くのが一番てっとり早いですが、給料明細からでもチェックできます。
雇用保険に加入していた人は保険料が毎月徴収されているはずです。
また週の労働時間が20時間を超える人は雇用保険への加入が義務化されています。
該当される方はほぼ確実に雇用保険に加入していると思っていいでしょう。
フリーターがもらえる失業手当の金額
失業手当の上限は次の通りです。
※平成30円8月1日現在
年齢 | 上限金額 |
30歳未満 | 6,750円 |
30歳以上45歳未満 | 7,495円 |
45歳以上60歳未満 | 8,250円 |
60歳以上65歳未満 | 7,083円 |
失業手当の金額は直近6ヶ月(180日)の給与総額で決まります。
今までの給与の50%〜80%が目安です。
今までの賃金が高ければ、高いほど50%に近づいていきます。
これまでの賃金が低ければ低いほど、80%に近づいていきます。
いずれにせよ上限があるので、働いていたとき以上にもらうことはできません。
フリーターがもらえる失業手当の期間
失業手当がもらえる期間は年齢と勤続年数(厳密にはその会社で雇用保険に入っていた期間)によって異なります。
1年未満 | 1年以上〜5年未満 | 5年以上〜10年未満 | 10年以上〜20年未満 | 20年以上 | |
30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | - |
30歳以上35歳未満 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 | |
35歳以上45歳未満 | 150日 | 240日 | 270日 | ||
45歳以上60歳未満 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 | |
60歳以上65歳未満 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
<参照:ハローワークインターネットサービス - 基本手当の所定給付日数>
いずれにせよ、20代に多いフリーターならほとんどが90日間分の支給になることでしょう。
失業手当の支給開始日
失業手当の支給開始日は離職理由によって異なります。
離職理由 | 解雇、定年で離職された方(会社都合) | 自己都合で離職された方 |
---|---|---|
支給の開始 | 離職票を提出した日から7日後 | 離職票を提出した日から7日(待期)+3か月(給付制限)が経過した後 |
実際に給付金が振込まれる時期 | 離職票を提出した日から約1ヶ月後 | 離職票を提出した日から約4ヶ月後 |
失業手当の支給開始は、大方自己都合の退社もしくは懲戒解雇でしょうから、7日間+3か月後となります。
またフリーターの場合はあまりいなさそうですが、倒産・解雇による場合の離職は7日間後の支給です。
この謎の「7日間」ですが、7日未満の失業なら救うまでもないと考えられています。
そのため7日間という待機期間が設定されているとのことです。
実際に失業手当が振り込まれるのは4ヶ月後ですから、ある程度の蓄えは必要でしょう。
手続きはハローワークで
受給の手続きは全てハローワークで行っています。
ハローワークと聞くと「職業紹介」をイメージしてしまいますが、このような「雇用保険」の事務も行っているのです。
フリーターでも失業保険はもらえますので条件を満たす人はハローワークに行きましょう。
ただし、ハローワークのメイン業務でもある「職業紹介」を受けるのはあまりおすすめできません。
ハローワークにはデメリットがあるからです。
あくまでもハローワークは失業保険の手続きに行くところと割り切って、他のフリーター就職サイトを利用することをおすすめします。
まとめ
- フリーターでも失業保険はもらえる
- 前提として雇用保険に12ヶ月以上加入している必要あり
- 失業手当の金額は今までの給与の50%〜80%が目安(大体のフリーターが90日間分の支給)
- 実際に給付金が振り込まれるまで大抵は4ヶ月かかる
フリーターでも失業手当を受け取ることができます。
雇用保険に加入していた方はぜひ、制度を利用しましょう。
ただし、就職したいという積極的な意思がなければ失業手当はもらえません。
就職したい意思を見せるには、面接や就職サービスを利用するのがベストです。